- トイプードルの「待て」のしつけは、生後2〜3ヶ月から始められ、正しいステップを踏むことで成功率が大幅に上がる。
- ストレスサインの見極めや褒め方の工夫など、失敗を防ぐポイントを具体例と共に紹介。
- 他のしつけ(トイレ、噛み癖)と連携させることで、より効果的なしつけが可能になる。
「うちの子、いつになったら“待て”ができるようになるんだろう……?」
そんなお悩みを抱える飼い主さん、多いのではないでしょうか。
特にトイプードルは賢い反面、繊細な性格を持つ子も多く、しつけにコツが必要です。
私自身も、初めてトイプードルを迎えたときは「待て」がなかなかできず、何度も試行錯誤しました。
この記事では、実際の経験を交えながら「トイプードルに“待て”を教える方法」について、やさしく、でも本格的に解説していきます。
初心者の方でもすぐに実践できるステップや注意点をまとめましたので、ぜひ最後まで読んで、あなたの愛犬との絆をもっと深めてくださいね。
しつけの順番に沿って記事を読む場合↓
Contents
トイプードルに「待て」を教える前に知っておきたい基本知識
- トイプードルはいつから「待て」を覚えられる?
- 「待て」が必要な理由とは?
- トイプードルの学習特性を理解する
トイプードルはいつから「待て」を覚えられる?
トイプードルは非常に知能が高く、しつけの覚えも早い犬種です。
一般的には、生後2〜3ヶ月頃から「待て」を教え始めることが推奨されています。
この時期は「社会化期」と呼ばれ、人間社会のルールを覚えるのに適したタイミングです。
実際、私の家のトイプードルも生後2ヶ月半から「待て」のトレーニングを始めました。
最初は3秒待たせるのも難しかったですが、1週間ほどで10秒ほど静止できるようになりました。
「待て」が必要な理由とは?
道路への飛び出しを防いだり、人混みの中での事故を避けたりと、危険回避に役立ちます。
また、食事前に「待て」をかけることで、衝動を抑える訓練にもなります。
さらに、「待て」は飼い主との信頼関係を築く上でも非常に重要です。
「待て」ができる犬は、指示をきちんと聞いてくれる犬として周囲の評価も高まります。
トイプードルの学習特性を理解する
トイプードルは「作業犬」としてのルーツを持ち、教えたことを覚える能力が高いです。
スタンレー・コレン博士の著書『犬の知能』によると、トイプードルは知能ランキングで2位に位置しています。
この特性を活かすには、しつけをポジティブに行い、短時間・反復的に練習することが効果的です。
1回10分以内を目安にし、集中力を維持したまま繰り返し練習すると習得が早まります。
「待て」のしつけの正しいステップと順番
- しつけの順番:何を先に教えるべき?
- 「待て」の基本ステップ
- 初心者がつまずきやすいポイント
しつけの順番:何を先に教えるべき?
基本的なしつけの順番は、「名前を呼ぶ→アイコンタクト→おすわり→待て→おいで」と進めるのが理想です。
特に「おすわり」ができていないと、「待て」の姿勢を維持することが難しいため、順序を守ることが大切です。

「待て」の基本ステップ
最初はリードを使って動かないように補助したり、座る場所にラグなどを敷いて“ここが安心できる場所”という認識を持たせる工夫も効果的です。
この手順を日々繰り返すことで、徐々に安定した「待て」が身についていきます。

初心者がつまずきやすいポイント
これらは私も実際に体験した失敗でした。
最初のうちは犬が“待て”を理解する前に褒めてしまったり、逆に長時間我慢させてしまったりと、うまくいかない日々が続きました。
しかし、犬の立場に立って「何がわかりやすいのか」を考えることで、無理のないテンポで練習を組み立てられるようになりました。
特に、成功体験を積ませることが犬の自信につながり、その後のトレーニング全体に良い影響を与えると実感しています。
具体的な「待て」の教え方と実践のコツ
- 「待て」の合図やジェスチャーの決め方
- 最初は何秒待たせるべき?
- 徐々にステップアップさせる方法
「待て」の合図やジェスチャーの決め方
合図は「手のひらを前に出す」ジェスチャーが定番です。
犬の目の高さに合わせて、視覚的にわかりやすく示すことで理解が深まります。
また、言葉は「まて」「ステイ」など、家庭内で決めたワードを徹底して使用することが大切です。
ここで重要なのは“統一感”です。
家族の中で一人だけ違う言葉を使ってしまうと、犬は混乱し、覚えるまでに時間がかかってしまいます。
最初は違和感があっても、繰り返すうちに犬がその合図に反応するようになる姿を見ると、家族の連携の大切さを実感できます。
最初は何秒待たせるべき?
最初は1〜3秒が限界です。
犬がじっとしていられる時間は年齢や性格によって異なります。
例えば、活発な子犬の場合は1秒間すら待つのが大変なこともあります。
そんなときは、「おすわり」して1秒動かなかっただけでもすぐに褒めてあげましょう。
徐々に、「まて」の時間を伸ばしていくことが大切です。
3秒→5秒→10秒→30秒→1分といったように、犬の様子を見ながら段階的に進めていきます。
途中で動いてしまっても焦らず、「もう一度チャレンジしようね」と声をかけて、前向きにリトライする姿勢が成功へのカギです。
徐々にステップアップさせる方法
以下のようなトレーニング進行表を参考にすると効果的です。
このように、少しずつ「距離」「時間」「環境」の3要素を調整しながら進めていくことで、犬が混乱せずに段階的にスキルを習得できます。
急に難易度を上げるのではなく、“ひとつ上のチャレンジ”を意識することが成功のポイントです。
週 | 距離 | 時間 | 環境 |
---|---|---|---|
1週目 | 30cm | 3秒 | 室内静かな場所 |
2週目 | 1m | 10秒 | 室内+音あり |
3週目 | 2m | 30秒 | 庭やベランダ |
4週目 | 5m | 1分 | 散歩中 |
私の場合、3週目に庭で練習した際に、風や鳥の声に反応して集中が切れることがありました。
その際は一度室内に戻り、成功体験を積み直してから再挑戦しました。
結果的に、その「一歩戻る勇気」が次の大きなステップにつながりました。
柔軟に調整しながら続ける姿勢が、犬にも安心感を与えます。
「待て」のしつけでやってはいけないこと
- 怒鳴る・叩くなどの罰を与えない
- 無理な長時間の訓練はNG
- 成功を褒めないのは逆効果
怒鳴る・叩くなどの罰を与えない
一見、叱ることでその場の行動が止まるように見えるかもしれませんが、犬は「なぜ叱られたのか」を理解していないことが多く、ただ萎縮してしまうだけです。
その結果、飼い主との信頼関係が崩れ、さらなる問題行動(吠え・隠れる・噛みつき)につながるケースもあります。
しつけは“信頼と共感”の積み重ねです。
怖がらせるのではなく、正しい行動を「教えてあげる」という姿勢が大切です。

無理な長時間の訓練はNG
これは私自身の経験でも実感しており、10分を超えると明らかに目線が逸れたり、ソワソワしたりと集中力が落ちていくのが分かります。
無理に続けても覚えが悪くなるだけでなく、しつけ=つまらない時間と認識されてしまいます。
1回の練習は短時間、そして“成功”で終えることで、次回のモチベーションにもつながります。
成功を褒めないのは逆効果
良い行動をした瞬間に褒めることで、犬は「これで正解だ」と理解します。
この“タイミング”がしつけの最大の鍵と言っても過言ではありません。
たとえば「待て」ができた直後に「よくできたね!」と声をかけ、ご褒美を与えることで、犬はその行動を繰り返そうとします。
“成功を褒めて強化する”ことこそが、習得への最短ルートです。
「待て」のしつけに失敗しないための対処法
- しつけにストレスを感じているサイン
- ストレスが原因のしつけ失敗例
- ストレス軽減とやる気アップの工夫
しつけにストレスを感じているサイン
これらはストレスサインです。
「なんだか今日は集中できていないな」と感じたら、無理に続けるのではなく一度中断しましょう。
例えば、おもちゃで軽く遊んだり、おやつをあげて気分を切り替えることで、再度トレーニングに取り組む意欲を高められます。
また、トレーニング環境が騒がしすぎたり、天候や体調が影響している場合もあります。
毎日の「様子の変化」に敏感になることが、飼い主としての大切な観察力につながります。
ストレスが原因のしつけ失敗例
以前、私の犬が何度も「待て」を無視するようになりました。
最初は「わがままかな?」と思っていましたが、よく観察してみると、明らかにストレスを感じていたのです。
トレーニングを1日1回3分だけ、リラックスできる朝の時間に変えたところ、みるみる集中してくれるようになりました。
さらに、成功のたびに大げさなくらいに褒めていたら、次第に自信をつけて笑顔まで見せてくれるようになったのです。
犬が発している小さなサインを見逃さないこと。
それが、しつけ成功への大きな第一歩です。
ストレス軽減とやる気アップの工夫
これらの工夫によって、トレーニングが「義務」ではなく「楽しい時間」に変わります。
特に「今日はこんなにできたね」と記録を取って可視化すると、飼い主自身のモチベーションアップにもつながります。
ストレスを軽減し、やる気を引き出す環境づくりこそが、長続きするしつけの秘訣です。
他のしつけとの関係:「待て」以外に教えるべきこと
- トイレトレーニングとの関連性
- 噛み癖防止と「待て」の関係
- 他のコマンドとの連携方法
トイレトレーニングとの関連性
「待て」を覚えると、トイレの我慢にも応用できます。
「今は我慢して、トイレの場所で排泄する」という理解が進みます。

噛み癖防止と「待て」の関係
「噛む前に止まれ」という意味で「待て」が活きます。
遊びの最中でも興奮しすぎたら一度「待て」を入れると落ち着きます。

他のコマンドとの連携方法
「おすわり」+「待て」+「おいで」の3つは連続して使うと非常に便利です。
例えば、人に飛びつきそうな場面でも、「おすわり→待て→おいで」で落ち着かせることができます。
年齢別:「待て」が教えやすい時期とは?
- 生後何ヶ月から「待て」を教える?
- 成犬になってからでも教えられる?
- 年齢によるしつけの工夫点
生後何ヶ月から「待て」を教える?
この時期はちょうど社会化期と呼ばれ、外界の刺激に順応しやすく、学習意欲も高まっている絶好のタイミングです。
ただし、すべての子犬が一様に準備ができているとは限りません。
性格が内向的な子、怖がりな子、また兄弟犬や親犬と過ごす期間が長かった子などは、少し時間をかけて環境に慣れさせてから始めた方がよい場合もあります。
その子の目線に立ち、無理強いをせず、毎日の生活の中で自然に「待て」を取り入れるスタイルが成功のカギとなります。
しつけのスタートは早ければ良いというわけではなく、愛犬にとって“楽しい学びの時間”と感じてもらうことが何よりも大切です。

成犬になってからでも教えられる?
はい、十分可能です。
特に保護犬などでは過去のトラウマがあることもあるため、より丁寧にアプローチします。
私の知人は5歳の保護トイプードルに「待て」を成功させていました。
時間はかかりましたが、今では見事なコントロールができています。
年齢によるしつけの工夫点
子犬期は学習意欲が旺盛で、吸収力が高い反面、集中力は短いです。
この時期は「遊び感覚」でトレーニングを取り入れるのが効果的です。
例えば、ボール遊びの途中で「待て」を入れてみたり、おやつを使って楽しく教えるのがおすすめです。
飽きさせないよう、1〜2分の短い練習を何回かに分けて行うと良いでしょう。
成犬になると体力も安定し、落ち着いた環境でのしつけが効果的になります。
周囲の刺激が少ない時間帯や場所を選んで、丁寧にトレーニングを積みましょう。
この時期には、一貫性のあるルールと明確なご褒美が習得を早めるカギです。
成犬は感情の読み取り能力も高いため、飼い主の表情や声のトーンを意識するのもポイントです。
高齢になると体力や集中力が低下しますが、しつけができないわけではありません。
無理のない範囲で、短時間・低負荷なトレーニングを行いましょう。
高齢犬は新しいことを学ぶのに時間がかかるかもしれませんが、繰り返しと愛情をもって接することでしっかり習得できます。
また、関節や視力・聴力の衰えに配慮し、体に優しい姿勢やジェスチャーを使って教えることも重要です。
まとめ:「待て」のしつけ成功に導くために大切なこと
- 根気と一貫性がカギ
- 愛情とポジティブなアプローチ
- 続けることで信頼関係が深まる
根気と一貫性がカギ
どんな犬もすぐに完璧にはなりません。
人間の子どもと同じで、個性もあれば得意・不得意もあるのが犬のしつけです。
「今日は1秒でも長く待てた」「昨日よりアイコンタクトが増えた」といった小さな成長に気づき、継続していく姿勢が何より大切です。
特にトイプードルのように繊細な犬種には、日々のルーティンと飼い主の態度が一貫していることが、安心感と学習意欲を与える鍵になります。
愛情とポジティブなアプローチ
怒らず、褒めて伸ばす。
これはしつけの基本中の基本です。
例えば「待て」が1秒でも成功したら、すぐに笑顔で「いい子だね!」と声をかける。
このポジティブなフィードバックが、犬のやる気を引き出し、自信につながります。
ご褒美は声かけ、おやつ、撫でるなど、犬が喜ぶ方法でOK。
私は特別な“褒め言葉”を決めていて、うちの子はそれを聞くだけでしっぽをフリフリしてくれます。
続けることで信頼関係が深まる
「待て」ができるようになるまでの時間は、単なるトレーニングではなく“信頼を育む旅”です。
うまくいかない日もあります。
でも、そんな時こそ「今日も一緒に頑張ろう」と前向きに接することで、犬は飼い主を信じ、心を開いてくれます。
一日数分の練習でも、愛犬の表情や仕草から「伝わってるんだ」と感じられる瞬間が必ず訪れます。
そしてその時、きっとあなたは「待て」ができるようになったこと以上に、愛犬との絆が深まった実感を得られるでしょう。
しつけの順番に沿って記事を読む場合↓