- トイプードルのしつけ開始時期は“生後2ヶ月〜社会化期”が理想であり、その理由と月齢ごとの適切なしつけ内容を徹底解説。
- トイレ、噛み癖、無駄吠えなどのトラブルを未然に防ぐためのしつけの順番と実践的コツを紹介。
- NG対応・しつけ失敗例も網羅し、子犬期に安心してトレーニングを進めるための完全ガイド
「トイプードルのしつけって、いつから始めるべきなの?」
初めて犬を飼う方から、しばしば寄せられるこの質問。
見た目の可愛らしさと高い知能を持つトイプードルは、
しつけがしやすいと言われる一方で、対応を誤ると「噛み癖がついた」「トイレを覚えない」などの悩みに発展することも少なくありません。
特に“しつけの開始時期”を間違えると、後々の修正に時間がかかってしまいます。
この記事を読めば、「何から始めればいいのか」「月齢に合わせて何を教えるべきか」「いつまでにどうしつければいいのか」といった疑問にすべて答えることができます。
犬との信頼関係を築きながら、楽しくトレーニングを進めていきましょう。
Contents
しつけはいつから始めるべき?トイプードルの適齢期
- 生後2ヶ月(8週)〜が基本スタートライン
- 社会化期に始める重要性とは
- 遅すぎるしつけ開始によるリスク
生後2ヶ月(8週)〜が基本スタートライン
一般的に、トイプードルのしつけは生後8週(2ヶ月)頃から始めるのが理想とされています。
この時期は、ブリーダーや母犬のもとを離れ、新しい家庭に迎えられるタイミングでもあります。
この頃は、環境に慣れながらも柔軟に物事を吸収する力が高い「学習の黄金期」です。
例えば、トイレトレーニングや名前を呼ばれたら反応するなどの基本行動は、この段階で習慣づけることで後の矯正が不要になるケースも多く見られます。
社会化期に始める重要性とは
生後3週〜14週(約3ヶ月半)頃までの期間は「社会化期」と呼ばれ、犬の性格や社会的スキルが形成される大切な時期です。
逆に社会化が不足したまま成犬になると、「吠える」「噛む」「他人を怖がる」などの問題行動につながるリスクが高まります。
そのため、しつけと並行して社会化トレーニングを意識的に行うことが極めて重要です。

遅すぎるしつけ開始によるリスク
「ワクチンが終わってから」「落ち着いてから」といった理由でしつけ開始を遅らせるケースもありますが、これは問題行動の原因になり得ます。
例えば、何の制限もルールもない生活を3〜4ヶ月続けたあとに突然「おすわり」や「トイレ」を教えても、犬にとっては混乱のもとです。
また、興奮癖や要求吠えといった行動が癖になってしまうと、矯正に倍以上の時間がかかることもあります。
環境省のガイドラインでも、生後2ヶ月前後からのしつけと社会化の重要性が強調されています。
月齢別のしつけ目安|何ヶ月で何を教える?
- 生後2〜3ヶ月:名前・アイコンタクト・トイレ
- 生後4〜5ヶ月:おすわり・まて・甘噛み対応
- 生後6ヶ月〜:外出・お散歩マナー・呼び戻し
生後2〜3ヶ月:名前・アイコンタクト・トイレ
この時期は、犬が最も素直で、学習能力も高い「しつけの黄金期」です。
最初に教えるべきことは「名前に反応する」「飼い主に注目する(アイコンタクト)」「決められた場所で排泄する」の3点です。
特にトイレトレーニングはこの時期に習慣づけないと、後で修正するのが難しくなります。
1日の排泄リズムを把握して、適切なタイミングで誘導→成功→褒める、の流れを徹底することが成功のコツです。

生後4〜5ヶ月:おすわり・まて・甘噛み対応
アイコンタクトと名前認識が定着したら、次は「おすわり」や「まて」などの基本指示を教えます。
コマンド練習は1回5分、1日2〜3セット程度が理想です。
集中力が続く時間を見極めながら、遊びの延長で楽しく学ばせるのがポイントです。
生後6ヶ月〜:外出・お散歩マナー・呼び戻し
ワクチンが完了するこの時期には、散歩や外出のトレーニングが本格的に始まります。
外の環境に慣れることで、社会化の幅が一気に広がります。
この段階では「呼び戻し(おいで)」の練習を重視しましょう。
安全のためにも、リードを外したときに確実に戻ってこられるようにすることは非常に重要です。
散歩中の他犬への接し方、人や車への反応なども、この時期に経験を積むことで落ち着きが生まれます。
しつけの順番を間違えると失敗しやすい理由
- 信頼関係構築が最優先
- 基礎コマンドを抜かすと応用が効かない
- 飼い主の焦りが犬に伝わる
信頼関係構築が最優先
しつけは技術や知識だけでなく、「信頼関係」がベースにあることでスムーズに進みます。
犬が「この人の言うことは信じていい」と感じることで、指示を受け入れやすくなります。
基礎コマンドを抜かすと応用が効かない
これを飛ばしていきなり「吠え癖を直したい」「飛びつきをやめさせたい」と応用だけに取り組んでも、犬は混乱してしまいます。
しつけがうまくいかないときは、基礎に立ち返って見直すことが改善の糸口になります。
飼い主の焦りが犬に伝わる
犬は人の感情に非常に敏感です。
「早く覚えてほしい」「なぜできないの?」といった焦りがトーンや動作に現れると、犬は不安になり、逆に動けなくなることも。
しつけは競争でも成果主義でもありません。
ゆっくり、丁寧に、一歩ずつが成功の鍵です。

失敗しないためのトイプードルしつけのコツ
- ご褒美の使い方を工夫する
- 短時間×繰り返しが基本
- 叱るより無視と環境調整
ご褒美の使い方を工夫する
「行動の直後に褒める(2〜3秒以内)」「小さな成功にも反応する」「おやつだけでなく声かけやなでるも活用する」など、ご褒美の質とタイミングが学習に直結します。
また、ご褒美が予測可能になりすぎると効果が薄れるため、時にはランダムに変えるのも効果的です。
短時間×繰り返しが基本
1回の練習は長くても5〜10分にとどめましょう。
集中力が切れる前に終わらせることで、ポジティブな印象を残すことができます。
1日2〜3回、日常生活の中で自然に取り入れる形が理想的です。
叱るより無視と環境調整
望ましくない行動には「構わない・目を合わさない・声をかけない」が基本対応です。
叱ることで逆に注目を集めたと感じる犬もいます。
また、失敗しにくい環境(サークル・ベビーゲート・トイレの位置調整など)を整えることも重要です。
しつけやすい子にするために子犬期からやっておくべきこと
- 人慣れ・物慣れの社会化トレーニング
- 甘噛み対策のルールづけ
- 静かに過ごす時間の練習
人慣れ・物慣れの社会化トレーニング
生後3週〜14週の社会化期は、人間・犬・音・乗り物・掃除機など、多様な刺激に触れさせるチャンスです。
ポジティブな経験を積ませることで、将来的な「怖がり」「攻撃性」の予防につながります。
甘噛み対策のルールづけ
遊んでいるときに噛んできたら遊びを中断し、無言でその場を離れましょう。
「噛むと遊びが終わる」と教えることが重要です。
また、代替できるおもちゃを常に用意して、噛んでよいものを覚えさせる習慣も大切です。
静かに過ごす時間の練習
子犬の頃から「人がいても静かに過ごす」「クレートで一人の時間を持つ」習慣をつけておくことで、分離不安や過度な要求吠えを防ぐことができます。
落ち着いていられることを褒めてあげると、自然と穏やかな性格が育ちます。
噛み癖・トイレ・無駄吠え…いつどう教える?
- 噛み癖:生後3ヶ月〜早期対応を
- トイレ:2ヶ月から毎日トレーニング
- 吠え:4〜6ヶ月に兆候が出たらすぐ対応
噛み癖:生後3ヶ月〜早期対応を
甘噛みが強くなってきたら、「痛い」と短く声を上げる・無視する・遊びを中断するなどの対応が必要です。
この時期の反応がその後の「本気噛み」につながるかどうかの分かれ道になります。
トイレ:2ヶ月から毎日トレーニング
排泄の時間帯(寝起き・食後・遊び後)を把握し、失敗前に誘導するのが基本です。
吠え:4〜6ヶ月に兆候が出たらすぐ対応
「インターホンで吠える」「要求で吠える」などの兆候が出てきたら、無視と代替行動(おすわり・アイコンタクト)で早期に対応しましょう。
一度強化されると「吠えれば望みが叶う」と覚えてしまうため、初期対応が肝心です。
子犬期のトレーニングでやってはいけないNG対応
- 怒鳴る・たたくなどの体罰
- 長時間の練習で疲弊させる
- 問題行動を放置・先延ばしにする
怒鳴る・たたくなどの体罰
叱るのではなく、冷静に行動を遮断する・無視する・環境を整えるなどの方法で対応しましょう。
長時間の練習で疲弊させる
子犬の集中力は5〜10分が限界です。
長すぎる練習は、疲れや苛立ちを誘発し、しつけに対してネガティブな印象を与えてしまいます。
短時間で終わらせ、褒めて締めくくることでポジティブな学習が定着します。
問題行動を放置・先延ばしにする
兆候を感じたらすぐに対処することで、未然に防ぐことができます。
小さな変化を見逃さない観察力も、しつけ成功の鍵となります。
まとめ:しつけは“早く・優しく・丁寧に”が成功のカギ
- トイプードルのしつけ開始は生後2ヶ月〜が理想
- 順番・タイミング・方法の3点が成否を分ける
- 子犬期の経験が一生を左右する
トイプードルのしつけは、始めるタイミング、教える順番、飼い主の接し方によって大きく成果が変わります。
この記事で解説したように、生後2ヶ月〜3ヶ月の社会化期はまさに“ゴールデンタイム”。
この時期に正しい方法で、丁寧にしつけを進めていけば、問題行動のほとんどを未然に防ぐことができます。
焦らず、怒らず、愛情をもって一歩ずつ進めていくこと。
そしてうまくいかないときは、一人で抱え込まず、しつけ教室や専門家の手を借りる勇気を持つことも大切です。
子犬との暮らしは挑戦の連続ですが、そのぶん確かな絆も生まれていきます。
今日の一歩が、未来の安心と信頼につながります。